8月の旬を楽しむ~料理教室を振り返って~
毎月開催している尾﨑料理長の和食料理教室が、コロナウイルス感染予防のため8月までの期間、中止となりました。
移り変わる自然と共に旬の味わいを楽しむ工夫が詰まった料理教室。その再開まで、これまでの料理教室を振り返りながら尾﨑料理長のおすすめする旬の食材を紹介します。
【出汁の活用を楽しむ】
尾﨑料理長による茅乃舎の和食料理教室が始まったのは、2013年5月。
「和食の基本は出汁」を印象づけることから始まり、第一回目と二回目は、昆布や鰹節を使っての美味しい出汁の取り方がメインでした。
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(2013年8月の料理教室<第二回目>レポートより)
◆◆ お献立 ◆◆
一、出汁の取り方
一、昆布の佃煮・ふりかけ
一、出汁巻玉子
一、鱧の吸い物
一、夏野菜の炊き合わせ
一、焼き霜ダコ 土佐酢ジュレかけ
一、鶏ご飯
一、ピオーネ大福
「真昆布はやさしい味です。」と素材から出汁を取ることを勧める尾﨑料理長。
一晩水に浸して出した昆布に、鰹節を加えると、旨味の二重奏ともいえる口の中に広がる奥深い出汁ができあがります。
出汁をとった後の真昆布と鰹節も、貴重な食材としてご飯のお供にピッタリの佃煮とふりかけに仕上げます。食材を無駄にせず全ていただく心と技です。
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旨味を凝縮した滋味あふれる出汁は、それだけでもご馳走ですが、冷やして、あるいは熱いまま、素材を浸して野菜のペーストと合わせる、ポン酢を加えてドレッシングにする、など様々な使い道があります。
また、冷しゃぶの肉を昆布だしで茹でて柔らかくジューシーに仕上げる裏技もあり、出汁は料理の味を決める基本ということが良くわかりました。
【8月の食材を浸す】
8月の和食料理教室では、暑い夏を乗り切るために精のつく鰻や鱧、豚肉などの食材がよく登場いたします。また、茄子やとうもろこしなどの旬野菜は、食欲が増すように、スープや冷やし炊き合わせにしました。
彩りに加え、見た目の涼やかさが、より美味しさを引き立て、お客様にも大変好評でした。
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尾崎料理長の「時間をかければ美味しい出汁ができる」という想いは、今でもご参加いただいた皆様の心に残っていることでしょう。
一晩かけて水出しした昆布と鰹節の合わせ出汁。
時間はかかりますが、その手間ひまをも楽しみながら作ってみてはいかがでしょう。
是非冷蔵庫にストックし冷やした出汁を、様々な料理にアレンジして楽しんでみられませんか。